>>1さんからのおしらせ
シナリオやってます
ブログにて別のお話も連載中
728 名前: ◆8VM5xLK5jw [] 投稿日:2008/05/15(木) 00:07:17.33 ID:gTWkBmHN0
さて、お題も途絶えたのかな?
746 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:27:22.71 ID:gTWkBmHN0
誰にも聞かれなかったけどせっかくなので猫の名前をさらしておこう。
サクラといいます。
735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:12:43.81 ID:gTWkBmHN0
>>732バウリンガル
∧∧
(,,゚ー゚)<使えるのか、アレ?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<君らにこそ聞きたいんだが
⊂しーJ⊃
736 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:13:59.43 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<私は知らない。猫語なんてあるものじゃなし、共通する本能的なしぐさは別としても果たしてどこまで読み取れるやら
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ふーん
⊂しーJ⊃
755 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:37:40.75 ID:gTWkBmHN0
>>752しえん
∧∧
(,,゚ー゚)<主人、あの魚屋はダメだ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<なんだいきなり
⊂しーJ⊃
756 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:38:53.76 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<アラの尻尾さえくれない。あんな店では評判もいずれ地に落ちる
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<おい
⊂しーJ⊃
757 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:39:22.36 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<先代のころはよかったのに……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<前からのなじみかい
⊂しーJ⊃
758 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:40:33.02 ID:gTWkBmHN0
>>754夏への扉
∧∧
(,,゚ー゚)<コタツぽかぽかぽっかぽか〜……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<暑い……いつまでコタツ出してりゃいいんだ?
⊂しーJ⊃
759 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:41:13.66 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<たとえクーラーをつけながらでもコタツは維持するのだ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<なんだその本末転倒
⊂しーJ⊃
760 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:42:01.42 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ああ、あったかいあったかいあったかい……うーん、夏への扉が見えるよぅ……主人が遠……く……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<わーっ、のぼせてるー!
⊂しーJ⊃
762 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:46:18.54 ID:gTWkBmHN0
>>761嫉妬
∧∧
(,,゚ー゚)<主人、何を見てるんだ?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<猫特集
⊂しーJ⊃
763 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:46:45.13 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ふむ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<あー、かわいいなぁ
⊂しーJ⊃
765 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:47:08.62 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<そのしぐさはたまらんわぁ
⊂しーJ⊃
766 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:47:39.63 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<くぅー、萌える。やヴぁい、もだえる、これは、すごひ!
⊂しーJ⊃
767 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:47:52.88 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<主人
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ん?
⊂しーJ⊃
768 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:48:10.38 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<私はかわいくないのか?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<は?
⊂しーJ⊃
769 名前:実は伏線でした![] 投稿日:2008/05/15(木) 00:48:48.66 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<主人が私のことを「かわいい」といってくれた記憶がない
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<あー
⊂しーJ⊃
771 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:50:11.15 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<だからてっきり猫にはかわいいといわないひとかと思っていたら、TVの猫にはでれでれでれでれと……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<いや待て、待って、待ってくださ
⊂しーJ⊃
772 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:50:24.93 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<主人っ!
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<は、はいっ!
⊂しーJ⊃
774 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:50:54.30 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<主人は女心というものが理解できていない!
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<さ、左様でありますか?
⊂しーJ⊃
775 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:51:29.38 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<できていないっ!
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<はいっ! できてませんっ!
⊂しーJ⊃
776 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:52:00.75 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<だいたい、主人はいつも私のことをないがしろにして
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<あーうー
⊂しーJ⊃
778 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:52:28.22 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<――というわけだ、わかったか、主人?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ハイワカリマシタゴメンナサイマセカワイイさくらサン
⊂しーJ⊃
780 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:54:17.20 ID:gTWkBmHN0
>>764酒と涙と男と猫
∧∧
(,,゚ー゚)<主人、寝酒か?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ああ、チューハイだがね
⊂しーJ⊃
781 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:55:01.91 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<私も一口ご相伴に与りたい
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<んー……まあ、一口だけな?
⊂しーJ⊃
782 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:55:31.05 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<では――一気!
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<なッ!?
⊂しーJ⊃
784 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:55:49.06 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ぷはぁあああ……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……
⊂しーJ⊃
785 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:56:36.12 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ひっく
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……
⊂しーJ⊃
786 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:57:01.41 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<しゅじん、ねるぞ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<はい
⊂しーJ⊃
788 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:57:34.86 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<そうらない! わらひと、しとねをともにせよといっへる!
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<しとね?
⊂しーJ⊃
790 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:58:38.96 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<らんじょのまじわりのことら。うー……ほら、べっどにつれれいけぇ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<あーもーこの酔っ払いお猫様は……
⊂しーJ⊃
791 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:59:24.86 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<うるひゃいうるひゃい! わらひは、このままてんかいないじんせーにあきあきしてるろ!
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<はいはい寝ましょうね、サクラさん
⊂しーJ⊃
792 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 00:59:57.53 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ろうひてしゅじんはわらしのきもちにこたえてくれらいの……?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……
⊂しーJ⊃
793 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:00:40.49 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ろうして?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……酔いすぎだ、お前。なんで急に酒なんて呑むんだよ?
⊂しーJ⊃
795 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:00:58.67 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<しらふらと、いいにくひから……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……
⊂しーJ⊃
796 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:01:28.14 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<お前が、まだ子供だから。それじゃ不満か?
⊂しーJ⊃
797 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:02:31.78 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……お前がもっと世界のことを知って、ひとも猫もよく見て、たくさんの選択肢を得るまで俺はそういうことをしない
⊂しーJ⊃
798 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:03:03.77 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<お前が俺を大切に思うのと同じように、俺は俺でお前のことを大切に思ってる。……それじゃ、不満か?
⊂しーJ⊃
799 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:03:33.57 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……ん、わかっら
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……ありがとうな
⊂しーJ⊃
800 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:04:01.79 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<れも、ちょっとだけなかへて……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……
⊂しーJ⊃
801 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:04:19.49 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ごめんな
⊂しーJ⊃
802 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:04:48.89 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<すー……すー……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<寝ちゃったか……まあ、そのほうがいいよな
⊂しーJ⊃
803 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:05:20.20 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<zzz……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<まあ、猫とひとじゃできることもできんけどな
⊂しーJ⊃
804 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:05:52.30 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<しゅじん……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ん?
⊂しーJ⊃
805 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:06:09.30 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……zzz
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……
⊂しーJ⊃
806 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:06:30.56 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<zzz……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<俺も寝るか。おやすみ……
⊂しーJ⊃
818 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:17:19.59 ID:gTWkBmHN0
それでは以下は番外編の番外編ということで、IFだと思ってお楽しみいただければ幸いです。
819 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:19:58.18 ID:gTWkBmHN0
三年経った。
サクラがしゃべりはじめて三年だ。
大学一年の春は今や昔。就職活動を控えた初夏――陽射しがじりじりと肌を焼き始める季節になっていた。
821 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:20:37.02 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<おかえり、主人
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ただいまー
⊂しーJ⊃
823 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:21:21.16 ID:gTWkBmHN0
>>822
あとでブログにのっけとくよー。暇があったらそっちでもどぞw
825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:23:31.67 ID:gTWkBmHN0
最近は大学によく顔を出す。
卒業研究もあるが、研究室からの就職も視野に入ってきているからだ。
それを茶化して、引きこもりが直ったな、とサクラはよくいうようになった。
826 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:25:21.88 ID:gTWkBmHN0
苦笑いで受け止めて、ああ大学は大変だ大変だ、とこれまた冗談めかして返す。
それを聞いて、サクラはニヤリとひとめかしい不敵な笑みを口元に携える。
日課に加わったちょっとした出来事だ。
827 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:25:59.52 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<今日は遅かったな
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<あー、日程が合わなくて話し合いが長引いた
⊂しーJ⊃
828 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:26:22.58 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<日程?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<研究室の連中と飲み会に行くことになってな
⊂しーJ⊃
829 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:26:37.26 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<またか……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<すまんすまん
⊂しーJ⊃
830 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:27:41.84 ID:gTWkBmHN0
サクラが渋い顔をするのもうなづける。
ここのところ本当に飲み会が多い。
付き合いとはいえさすがに疲れてくるというもの。
832 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:29:01.82 ID:gTWkBmHN0
そろそろリフレッシュをしたいが、あいにくと夏季休暇は就職活動最前線に配属が決まっている。
ろくな休みになりはしないだろう。
まあだからこそ――
833 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:29:35.88 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<主人、今日はモンぷちなのか!
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<おー、ちょっと待たせたからな。食え食え
⊂しーJ⊃
834 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:30:01.88 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ではいただきまーす
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<めしあがれ
⊂しーJ⊃
835 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:30:47.61 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ん〜……『ハイグレードモンスターぷちっとな』の味は格別だ……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<身震いするほどかよ
⊂しーJ⊃
836 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:31:11.40 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<主人も口にすればわかる。ほれ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<いやいらんから
⊂しーJ⊃
838 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:33:15.84 ID:gTWkBmHN0
――こういう、サクラとの他愛もない会話にとても癒されている。
モンぷちを開けたのは、遅れて悪いと思ったのが半分。
残り半分の理由は、サクラの喜ぶ姿を見て自分も笑いたいと思ったからだ。
839 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:33:43.46 ID:gTWkBmHN0
>>837
つまるところ高い猫缶。サクラのお気に入り。
841 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:34:36.68 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ふぁあ……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<眠いのか?
⊂しーJ⊃
844 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:35:22.40 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<猫はよく寝るもの。『寝子』と書いて『ねこ』としたという説さえあるくらいだぞ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<へえ
⊂しーJ⊃
845 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:36:01.42 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<しかし、今日はちょっと待ち疲れた……すまないが主人、先に寝る
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ああ、おやすみな
⊂しーJ⊃
848 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:38:09.83 ID:gTWkBmHN0
そういって、サクラは自分の毛布にもぐりこんだ。
サクラの体の大きさに見合わせて用意したはず木箱が、少し窮屈に見えた。
成長してるんだな、とそう思った。
851 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:41:09.76 ID:gTWkBmHN0
サクラはいまだに大した力もなく、ただのしゃべる猫として我が家にいる。
そろそろ成猫だろうか、歳はそれなりになったと思うのだが……猫又の年齢感はわからない。
まあ、子猫のころと変わらずかわいらしい。それで十分だと俺は思う。
852 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:41:47.61 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<zzz……
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<俺も寝るよ。おやすみ、サクラ……
⊂しーJ⊃
853 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:42:57.25 ID:gTWkBmHN0
>
「土曜ですか?」
俺は聞き返した。
855 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:44:27.42 ID:gTWkBmHN0
「ああそうだ、長根君。飲み会は土曜で決まったらしいぞ」
土井垣教授はひとのよさそうな笑顔で顔のしわを緩ませてうなづいた。
「うーん……土曜か……」
856 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:45:46.57 ID:gTWkBmHN0
「何かあるのかね、長根君?」
と、心配げに土井垣教授はたずねてきた。
「ああいえ、個人的な都合なので……」
857 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:46:32.57 ID:gTWkBmHN0
「そうか、都合が重なってしまったのか……」
「ええ、そうなんです」
だから、今回だけは断らせてください、とそう続けるつもりだった。
859 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:48:41.27 ID:gTWkBmHN0
「でも、今回は百合君の誕生日と研究所内定祝いも兼ねてるからねぇ。できればみんなに来てほしい、と彼女から頼まれてしまってるんだよ」
「え、百合さん、内定決まったんですか?」
「うん、うちの大学の関連施設だ。この時期に決まるとは運もいいね、彼女は」
860 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:49:45.35 ID:gTWkBmHN0
誕生日は知っていたのだが、それも重なるとは……
「だからまあ、長根君。悪いが――来てくれんかね?」
「……善処してみます」
861 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:50:43.17 ID:gTWkBmHN0
結論はわかってるけれども、自分への言い訳と併用されたちょっとした反抗。
そうやって、答えを濁すのがやっとだった。
862 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:51:55.89 ID:gTWkBmHN0
>
奇天烈な元気物質がうどんをすする俺の背中を強襲した。
「なっがねー!」
「うげふっ!」
864 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:53:40.43 ID:gTWkBmHN0
危うく鼻から噴出するところだった麺類を嚥下しつつ、その迷惑人間をにらむ。
「百合さん……」
「もー、硬いなぁ長根君はぁ。ゆーりんとでもまっちーとでも呼べっていってるじゃん」
865 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:55:21.36 ID:gTWkBmHN0
百合さんはそういうともう二回ほど背中への打撃を与えた後、横の席に陣取った。
「百合さんはカレーうどんですか」
「おーよ。カレーは日本の文化のきわみだよー!」
866 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:56:38.37 ID:gTWkBmHN0
白衣を羽織っているとはいえ着ているものは素人目にもそんな安っぽいものには見えない。
だが、百合さんはハシでむんずとうどんをつまむと――
ずぞぞっ
867 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:57:17.92 ID:gTWkBmHN0
と、勢いよくすすってみせる。
「なんてかまあ……豪快ですねぇ。相変わらず」
「はっは、それがあたしの唯一のとりえだからねぇ!」
869 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 01:58:45.61 ID:gTWkBmHN0
唯一?
刻み方が甘かったのかびろんと長く伸びたネギを口にくわえながら、俺は声には出さない疑問符を浮かべた。
百合さんのとりえがひとつってことはないだろう。
870 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:00:30.91 ID:gTWkBmHN0
特待生入学から三年間、首席の座を渡したことは一度もない。
かといって勉強バカということもなく、ユーモアに富んだ気さくな人間で。
そればかりか麗しき美貌に整ったスタイル……十分すぎるくらいできすぎたひとだ。
871 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:03:52.49 ID:gTWkBmHN0
四方八方に友人がいる彼女は、当然のように俺にも話しかけてくる。
自分を卑下するわけではないが、まあ、俺は並だ。勉強も容姿も特技もぬきんでたものは何もない。彼女の交友範囲の広さを示す指標のひとつでしかないのだ。
だが、だからといって彼女が単なる八方美人かというとそんなこともない。
873 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:06:00.76 ID:gTWkBmHN0
かかわる人間はみんなきちんと趣味も特技も覚えて付き合うし、とてもおまけで話しているとは思えない。
そういう彼女のひととしての出来のよさに、惹かれもするがまた恐れもする。
人間ってやつは想像の及ばないレベルの相手にほれ込むのがなかなか難しいようだ。
874 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:07:17.86 ID:gTWkBmHN0
「で、さ。次の飲み会、来てくれる?」
ちゅるん、とうまそうにすすり、百合さんは話題を振ってきた。
「ま、時間が調整できればということで、善処いたしますよ」
876 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:09:28.38 ID:gTWkBmHN0
肩をすくめておどけて応える。
「ひどいなもう、長根君。政治家みたいになっちゃうよぉ〜」
「日程の調整を行うことで土井垣教授とはおおむね合意に達したと考えておりますゆえ」
877 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:10:57.06 ID:gTWkBmHN0
あはは、と彼女は軽く笑った。
「うん、じゃあできるだけ来てほしいな。あっ――そうだ、いいたいことがあるの。だから、来て。ねっ?」
そりゃまた断りにくい。
878 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:12:03.99 ID:gTWkBmHN0
外堀を埋められてしまってはまあ仕方がない。
仕方がないだろう。うん、仕方がない。
「わかりました。じゃ、行きますよ」
880 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:13:05.66 ID:gTWkBmHN0
ごめんな、サクラ。
「でも、都合があるんで、早めに抜けることになると思います。それだけはご勘弁を」
後に付け足した言葉で、どうにか取り繕おうと思った。
882 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:14:16.83 ID:gTWkBmHN0
>
∧∧
(,,゚ー゚)<もうすぐ土曜だな
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<そうだなー
⊂しーJ⊃
883 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:15:00.27 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<あさってか……ふふふ、待ち遠しいな
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<へぇ、楽しみにしてたのか?
⊂しーJ⊃
885 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:16:01.41 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<そりゃあ楽しみさ。なんたって、年に一度の――特大プリンの日だもの
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ははは……
⊂しーJ⊃
889 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:22:22.11 ID:gTWkBmHN0
土曜日は、サクラが来た日だ。
しゃべりだした年からなぜか巨大プリンの日になってしまったが、まあそういう日なのだ。
だから今年もそうあるのだろうとサクラも楽しみにしているわけで……裏切るようで心が痛いのだが。
891 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:23:48.97 ID:gTWkBmHN0
それでもいわないわけにはいかない。
何、ちょっと始めるのが遅くなるだけだ。大したことじゃあない。そうだとも。
「あのさ、サクラ――」
892 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:24:13.64 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<どうした、主人?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<土曜、帰りが遅くなりそうなんだ
⊂しーJ⊃
893 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:24:55.40 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<……そうか
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ああでも、あんま酒呑まないで帰ってくるから。帰ってきてからぱーっとやろうぜ。ぱーっと
⊂しーJ⊃
894 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:25:29.60 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<そう、だな。うん。よし、遅れた分を取り戻せる巨大なプリンを用意しておくんだぞ?
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<アイアイ、マム!
⊂しーJ⊃
896 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:26:42.78 ID:gTWkBmHN0
ほっとした。
明らかに声が暗くなったときにはどうしようかと思ったけれど、サクラはそれほど気にしないでくれたようだ。
897 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:26:55.65 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ああ、そうだ――
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ん?
⊂しーJ⊃
898 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:27:22.21 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ただ特大プリンを出させるのでは芸がないな
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<……というと?
⊂しーJ⊃
899 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:27:43.48 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<私からもすごいプレゼントを用意しよう
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ほう
⊂しーJ⊃
900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:28:07.61 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ふふふ、きっと驚くぞ。主人
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ほー、そいつぁ楽しみだ
⊂しーJ⊃
901 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:28:31.32 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<でも、その代わり約束だ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<何?
⊂しーJ⊃
902 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:28:56.94 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ちゃんと土曜日中には帰って来てくれ
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<へーい
⊂しーJ⊃
903 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:29:58.99 ID:gTWkBmHN0
土曜日中か、ずいぶんと俺も安く見積もられたもんだ。
さっさと切り上げて、夕方には家に戻ってびっくりさせてやるわ。
夜は、ゆっくりと更けた。
906 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:39:01.13 ID:gTWkBmHN0
>
いつもどおりに展開した。
研究所の面子が集まると、土井垣教授が乾杯の音頭をとり、それに木村君が茶々を入れる。
それをなだめようと仁科さんが前に出て、険悪なムードになる前に百合さんが全体の流れを料理へと向ける。
教授以下五名が集まったのは小さな居酒屋だった。
大学の最寄り駅からは少し遠い、知るひとぞ知る便利な店。
酒はやや割高だが料理が安く、土井垣研究所の一門はここを『食べるための居酒屋』として利用していた。
907 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:43:17.04 ID:gTWkBmHN0
「はっぴばーすでーあーたしー♪ はっぴばーすでーしゅうしょくー♪」
常にアルコールの入っているようなテンションの百合さんは、まあテンションが高いこと高いこと。
「あっはっはー、長根君。呑んでるー? 高いからここはあんま呑んじゃダメだよー!」
「エビチリかっら〜! でもこの辛さが体にいいはず……つぁーダメだ! ウーロンウーロンウーロン!」
「いっちばん、百合うったいまーす! みんなおれの歌を聞けぇ〜!」
土井垣教授。ニコニコ笑ってないで適当なところでとめてください。
910 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:52:08.05 ID:gTWkBmHN0
「しかしまあ、百合っぺ、よく歌うねぇ」
十七番を歌いに席を立った百合さんのところへ、木村君がやってきた。
「まあ、いつもよりさらにテンション高いみたいですけど、これでもいいんじゃないですか?」
「いつもより、ねぇ……」
「何か変なところでも?」
「んー……いや、長根っち見たことないのかな? 百合っぺの教室での姿」
「教室での姿?」
あれ? そういえば――
「同じ教室のことなかったのかな……? 百合さん、見てないな……」
「あちゃー」
木村君が頭を抱える。
「なんですか?」
「いやいやいや、なんていうか色男だねぇ、君は」
どういう意味だ?
「まあ、先輩として――人生の先輩として、ちょっとだけアドバイスをあげるよ」
木村君は二浪なのでひとつ年上だ。
「鈍感は、罪」
912 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 02:54:31.12 ID:gTWkBmHN0
>>911
気にするな!
とりあえず書き上げる!
頭痛いけど終わるまで私も続きが気になって寝れんわ!wwwwww
914 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:01:44.49 ID:gTWkBmHN0
「よーし、二次会だー! いくぞ、長根ー!」
「ちょ、待って待って。百合さんちょっとぉおおお」
百合さんに引きずられるように二次会。
どこから力を振り絞るのか、あの細い体で豪快なボウリング球さばきを見せつけてくれる。
「どうだ、長根……ふっふっふ。あたしがあの雪辱をそのままですませるかわいこちゃんだと思ったかぁ!」
「やってくれますね、百合さん……。だが、俺を燃えさせてくれた以上、結果は決まっていますよ!」
ひとの土俵であるとわかっていながらあがりこんで来たか。おもしろい、返り討ちにしてくれる。
ふたりの白熱した展開とは裏腹に、他の三名はのろのろと百二十点前後のボウリングを楽しんでいた。
「っしゃー!」
「あ、あたしが……敗れただとぉ!?」
きわどい。
実にきわどいピン際の勝負。
前半を共にパーフェクトで折り返した後半、スペアを交えながらの接戦は終局の座においてついに点差を生んだ。
「いや、いい勝負でしたよ。後一本落とせなければ俺が負けていた」
「よしてくれ、結果は結果だ」
「握手を」
「……いい試合だった」
硬い握手を交わして二次会は感動的なフィナーレを迎えた。
916 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:08:33.11 ID:gTWkBmHN0
三次会は互いの健闘をたたえあいながらの飲食。
腕がだるいという百合さんに、筋肉のほぐし方を指導した。
「四次会なんだけれど、あたしにボウリングを教えてくれないかな?」
百合さんがそんな提案をしてきた。
腕の調子が戻らないので見学だけになるけれど、と。
他の皆も賛同したので四次会は異例のボウリング二回戦となった。
918 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:17:10.63 ID:gTWkBmHN0
>
そのときが来て、ついでに解説までされて、ようやく『理解』するというのはなんとも自分が鈍感だったと思い知らされる出来事だった。
せめて『気付く』ことができたならまだしも、だが。いや、格好悪い。
他のみんなとは示し合わせて四次会で消えてもらう。
俺が得意としているボウリングの技術をわざわざ磨き上げ、楽しめるよう準備する。
そのずっと前から、教室で俺が発見できないほど静かな彼女と俺との会話での彼女を使い分ける。
たった一言。
新入生歓迎会でした自己紹介。
「明るい人が好きで、趣味はボウリングです」
その言葉だけで、追いかけてきてくれたのに。
920 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:25:25.79 ID:gTWkBmHN0
「好きです。長根君が好きです」
半ばまで肩紐をずらし、でもそれが似合わないと思ったのか取りやめて、そういった。
――ああ、いいたいことってこれだったのか
漠然と、他人事のようにそう思った。
「付き合ってくださいっ……」
顔を真っ赤に染めて、きゅっと縮こまりそうなくらい緊張して。
消え入りそうな小さな声で、でも本気の想いがこめられてる響きで。
素の彼女はもっと物静かなひとなんだろう、といまさらのように思った。
今の今までまったく気付きもしないでわかったように思うことすら罪悪じゃないかと感じるが、そう思ったのだ。
――どうしよう
何も思い付かなかった。
921 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:30:16.93 ID:gTWkBmHN0
確かに、百合さんは俺の理想を具現化したようなひとだ。
友達感覚で付き合えて、明るくて快活で、容姿だって頭だって申し分ない。
就職先だって一流だし、俺なんかよりも数段『上』の人間だ。
――人間にランクなんてものが存在するかどうかはさておいて、少なくとも比べられるものは全部が全部俺と見合わなかったから。
「なんで……俺なんだ?」
真摯な想いに対して、最低に近い質問。
しかし、聞かずにはいられなかった。
「たぶん、きっかけはちっぽけな、よくある悲劇なんです……」
――彼女は、俺のことを大学に入る以前から知っていた。
923 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:37:13.13 ID:gTWkBmHN0
正直、俺は彼女と付き合ってもいいと思っていた。
条件は最高だ。これ以上なんて望みようもないじゃないか。
釣り合わなくても――こちらが負担になるわけじゃないし。
そんなよこしまな思いに彼女の言葉は滑り込んできた。
猫を飼えなくなったんです。
引っ越しでした。
すべての猫を引き取ってもらおうとがんばりました。
けれども、どうしても一匹だけ病弱な子猫が引き取られませんでした。
あたしは、その子猫をダンボールに詰め、誰かが拾ってくれるのを信じて見守りました。
ある雨の日、子猫はやさしいひとに拾われていきました。
それが、始まりです。
――サクラ
927 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:41:31.14 ID:gTWkBmHN0
そこからの十五分を、俺は覚えていない。
自分の思いをそのまま吐露して、いかに自分が最低男で彼女と付き合う価値がない男かを証明しようとした記憶がうっすらと残るのみだ。
去り際に、彼女は俺にキスをひとつ押し付けてきた。
「今度、サクラちゃんを見に行くときまで、貸し付けておきますからね!」
はは……家で取り立てられると後でサクラに何を言われるやら……。
931 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:51:55.77 ID:gTWkBmHN0
十一時四十分。
時計はまだ土曜日の内側だった。
大学近くに借りたアパートまで、走れば五分もいらない。
ギリギリだけど間に合う。間に合った――
美人だった。
駅から少し、商店街にはほど近く、バス停は目の前。アパートの位置取りはそこ。
長髪は黒。さらさらとしたそれを結ばずにただ流す。
場所は二階、奥部屋までの階段は一直線。表札は長根。部屋の位置取りはそこ。
十七か十八。未成年の面立ちながらメリハリのきいた体。
部屋の目の前、ドアの外。手すりに寄りかかり物憂げにする。彼女の位置取りはそこ。
顔立ちはきれいというよりかわいいに分類されそうな、それでも間違いなく――美人だった。
彼女は言った。
「主人、おかえり……」
934 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:56:42.67 ID:gTWkBmHN0
「サクラ……なの、か?」
「うん、そうだよ」
確かに聞きなれた、サクラの声。
姿のせいだろうか、幾分『女性』らしく感じられた。
「どうかな、この姿? まだ他の姿には化けられないんだけど……かわいいかな?」
「ああ……かわいいよ。街で十人に訊ねたら九人がかわいいっていって、ひとりが嫉妬の炎を燃やすくらいかわいいよ」
「そっか……えへへ……」
サクラはかわいらしく、小さく微笑んだ。
935 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 03:59:03.90 ID:gTWkBmHN0
「な、なあ、ここで話すのはなんだし、部屋で――」
「ねぇ」
言葉はさえぎられた。
「私、すごくすっごく楽しかったんだ」
「……何、が?」
「何もかも」
サクラは続ける。
937 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:03:46.22 ID:gTWkBmHN0
空の高さを知ったことも、海の深さを知ったことも、地球の大きさを知ったことも。
TVのバラエティを見たことも、野球の試合を見たことも、スーパーの中を見たことも。
プリンを食べたことも、モンぷちを食べたことも、みそしるごはんを食べたことも。
主人と笑いあったことも、主人と嘆きあったことも、主人と喜び合ったことも。
――ううん、主人がいたから。
主人と一緒にいれたから、とても――楽しかった。
941 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:07:45.32 ID:gTWkBmHN0
「女の人と……き、キス……して、た、よね……」
サクラの頬に、涙が伝った。
「だ、抱き合って……頭、いい子……いい子って……なでなでしてて……」
「それは――」
違うんだ、と言わせてもらえなかった。
「私はッ!!!」
「……」
しん、と静まり返った。
「サクラは、主人が好きです。昔から。猫又になってから。猫又になってもっと。応えてもらえなかったあのときからさらに。ずっと。ずっと――好き『でした』」
944 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:11:59.68 ID:gTWkBmHN0
サクラが不意に右腕を上げた。
「なっ!?」
直後、雨がざあざあと降り注いだ。
空には雲なんてなかったのに。ないのに。
「猫又は、このくらい力があるんだよ」
泣き笑いの表情で、サクラは言った。
「雷だって、好きなところに落とせる。あのメスを――黒焦げにするくらいは簡単なんだよ?」
「……冗談だよな?」
「できるかできないか、なら、冗談じゃないよ」
もう片方は、答えない。
945 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:14:31.13 ID:gTWkBmHN0
「ねぇ、主人。この格好はかわいいのかな?」
サクラはくるりと回ってみせる。
ひらひらとしたワンピース。
時期が幾分早いようにも思われるけれどよく似合っている。
足元はブーツ。
やや硬い印象を与えるが変だとは思わない。
「よく似合ってるよ」
だから、そう答えた。
948 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:17:20.22 ID:gTWkBmHN0
「……えへへ。そっか、私かわいいのかぁ」
ごくり、と俺はつばを飲んだ。
ひどくのどが渇いていた。
湿ったはずの口蓋は、まだからからに干上がっている。
「主人に、あげる」
949 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:20:29.73 ID:gTWkBmHN0
「ほしいもののすべてを、主人にあげる。サクラの体も、サクラの能力も、サクラの命も。全部あげる」
ごくりごくり、と俺はつばを飲み下した。
痛い。
のどが痛いほど乾いている。
のどが痛いほど渇いている。
「どうし、て?」
かろうじて声になった問いは
「だって、今日はサクラを拾ってくれた日だったから」
かちり、とカレンダーがめくれる音が聞こえた気がした。
951 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:23:54.48 ID:gTWkBmHN0
「だから、サクラを愛して。子供を作ろう? 五匹? 六匹? もっとたくさん? サクラは生めるよ、だってひとに化けたんだから」
「やめろ!」
びくっ、とサクラが縮こまった。
「もう……やめてくれ、サクラ!」
953 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:25:04.34 ID:gTWkBmHN0
「どうして……?」
「どうして、抱きしめるの?」
「どうして、サクラを――私を抱きしめてくれるの?」
954 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:26:40.37 ID:gTWkBmHN0
「歯の浮くようなセリフだから、二度と言わないぞ」
そう前置きをして――
俺は文字通り歯が浮くくらいのすばらしく『色男』なセリフを口にした。
キスの後、見上げた空は満天の星空だった。
960 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:38:45.55 ID:gTWkBmHN0
>
「主人」
麗しきお猫様の声によって俺の眠りは終了を余儀なくされた。
「んぁ?」
「腹が減った」
「……今何時だよ?」
「五時だ」
うげ、と声が漏れたのがわかる。
「日曜は寝てるって言ったろうがぁ……」
正直、声を出すのも面倒なくらい眠い。
だいたいにして、日ごろの疲れを取るために日曜があるのだ。
キリストさんを信奉してるわけではないが、神様だって日曜は休んだのだ。人間だって休む権利があってしかるべきだろうに。
「寝るのは構わない」
じゃあ、寝かせてくれ。
「しかし、可愛いペットが腹をすかしているのに寝ているのは心苦しかろうと思ったのだ。主人」
……なんのキョーハクだ、そりゃ。
「わかったわかった。モンぷち開けてやるから、あとは勝手に食ってくれ」
「今日は人間のごはんを食べたい気分だが?」
サクラはちょこん、と首を傾げてみせる。
わかっててやってるなこんにゃろめ。
962 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:43:12.94 ID:gTWkBmHN0
つん、としてみせるサクラを後ろから抱きすくめてやった。
ぱたぱたと逃げようとするサクラを捕まえて、言ってやる。
「おはよう、サクラ」
「おはようだ、主人」
まったく、いい朝だ。
963 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:46:10.56 ID:gTWkBmHN0
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「主人、遅い遅い! 早く行かないと席がなくなる」
「なくならんっちゅーに」
まったく、何時だと思ってんだ。
「ネズミーランドは初めてだ……」
「そらまあ、猫のお前を連れて行っても楽しめないだろが」
うきうきと弾むサクラをなだめつつ、家の鍵を確認する。
「主人、まだか?」
「靴紐くらい結ばせろぃ」
964 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:48:03.23 ID:gTWkBmHN0
ぐるぐると回るサクラをおさえつつ、靴の紐を結ぶ。
「主人、行くぞー」
「だから、ちったぁ落ち着けというに」
「むー……」
と、何を思ったのかサクラが寄って来る。
「……なんだよ?」
966 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:50:54.83 ID:gTWkBmHN0
耳を貸せ、とジェスチャー。
「ん?」
「『愛してる、俺の子を生め』」
ぐっ
「お前、昨日の今日でそれを俺に言うかぁ!?」
「ほら、行くぞー。行かないなら街中で叫んじゃうぞ!」
「ああもう待て、サクラ!」
まったく、今後も疲れさせてくれそうな――かわいい恋人だこと。
967 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:51:19.89 ID:gTWkBmHN0
続・飼い猫が唐突にしゃべりだした
〜完〜
969 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/05/15(木) 04:52:26.43 ID:gTWkBmHN0
∧∧
(,,゚ー゚)<ご声援
〜(___ノ
∧∧
(゚Д゚ .)<ありがとうございました
⊂しーJ⊃
>>1さんからのおしらせ
シナリオやってます
ブログにて別のお話も連載中
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